0人が本棚に入れています
本棚に追加
どこまでも続く闇の向こうに、ポツリポツリと小さな灯りが見える。
たが、その灯りはまるで逃げるように直ぐに視界から消えてしまい、そして新しい灯りが姿を現す。
その繰り返し。
深いため息を一つつくと、醍醐飛鳥は窓から目を離し、正面に向き直る。
まだ21時を過ぎたばかりだと言うのに、電車の中にはほとんど人が居ない。
1車両につき2、3人程度だろうか。
都会では考えられない事だと思いつつ、こんな田舎ではそれが普通なのかも知れないと思い直す。
再び窓の外を見ると、先程までわずかに見えていた灯りすら無くなり、完全な闇が広がっていた。
最初のコメントを投稿しよう!