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「次は~葦原駅、葦原駅でございます。」
車内アナウンスにより回想の世界から帰ってきた飛鳥は、足元に置いていたドラムバッグを持ち上げて肩に掛けた。
必要最低限の物だけ…と思っていたのだが、何だかんだで相当の量になってしまい、その重量も結構なものになってしまった。
とは言え、車で祖父が迎えに来てくれると言っていたので気にする必要もないのだが。
暗い闇の中に頼りなく佇む駅に滑り込むようにして電車はゆっくりと停止した。
空気が抜けるような音を立てて扉が開く。
車内から駅に降りると、半分きれかけたような蛍光灯が頼りなく点滅していた。
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