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しばらくベンチに腰をかけていたが、車が近付いてくる気配すらない。
いくら何でも遅すぎる。
「電話してみるかな…」
飛鳥はズボンのポケットから携帯を取り出した。
と、その時、まるでタイミングを測ったかの様に携帯の着信音が鳴った。
周りが余りにも静かなせいだろうか、その音は思いの外大きく辺りに響き渡り、飛鳥の心臓を跳ね上げた。
着信音は直ぐに鳴り止んだ。
新着メール一件。
携帯を開き、受信したメールに目を通す。
「すまんが急用ができてしもうて迎えに行けん。地図を送付したから、それを見ながら来てくれんかの。気を付けてな。」
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