影なる鬼

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祖父からだった。 祖父は年齢の割には、こういった電子機器に結構強く、パソコンや携帯などもある程度は使いこなすが、それに対し祖母は全く使えない。 今の時代に携帯ぐらい使えんでどうする!と言うのが祖父の考えだそうだが、それにしてもメールに地図を添付して送信までするとは改めて畏れ入る。 添付されていたファイルを開いた。 と、その時、携帯から蒼白い電気のようなものが走った。 電気のようなものは飛鳥の腕から身体の内部まで浸透するように走り、飛鳥は思わず携帯を落としてしまった。 軽い音を立てて携帯は砂利道の上に転がる。 飛鳥は自分の手をまじまじと見つめた。 何ともなっていない。 「静電気…かな?」 そう呟くと飛鳥は携帯を拾い上げ、片手で閉じるとベンチから立ち上がり、隣に置いてあるバッグを再び肩に掛けた。 どちらにしても、町まで下りなくてはならない。 一歩踏み出すと、踏みしめた砂の感覚が靴越しに足に伝わってきた。 ゆっくりと歩き出す。 眼下にチラホラと散らばって見える灯りを見つめながら。
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