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第二話【五等爵】
「お招きいただき、ありがとうございます。【ルシファー公爵】」
「来てくれて嬉しいよ。【リリス子爵】」
「公爵様の為ならば、どこからでも、駆けつけますよ」
「流石、姫でありながら、【騎士団長】を勤めていただけのことはあるね」
「恐れ入ります」
豪華な装飾もなく、何の変哲もない空間に、生き残った貴族が、避難していた。
彼等のリーダーは、【元五等爵のランク一位】
【ルシファー公爵】だった。
「ベルゼ。守備はどうだい?」
奥から一人の男性が、名簿を持って現れた。
「ここは、元々、【病院】ですから、設備は、整っています。ただ…医者が一人もいません」
「リリス。どう思う?」
「恐れながら、ルシファー様。私が、意見するなど…」
「リリス。俺は、もう、【公爵】ではない」
「ですが…」
「ベルゼは、とっくに、呼び捨てだぞ。なっ、ベルゼ」
「そうだな。ルシファー」
「お二人は、【ご学友】だからです」
「懐かしいな。俺とベルゼと【ベリアル】で、結構、無茶苦茶したもんなぁ」
「そのたびに、両親から、ど突かれましたからね」
「あれは、痛かった。リリスにもあるだろ?」
「私は、【天涯孤独】の身ですから…」
リリスは、ここに来て初めて、表情を曇らせた。
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