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少女の様子から幽々子は嫌われた訳ではなく、突然知らない場所にいて、知らない人物に声をかけられたため恐怖したのだろう。
嫌われた訳ではないのなら幽々子も直ぐに立ち直らせることが出来ると考えた妖夢は、早速幽々子を元気づけるべく声をかけた。
「幽々子様、多分まだ嫌われてませんよ。怯えてるだけみたいです」
「………本当?」
「はい」
「………どうやったら出て来てくれるかし……あら」
幽々子の視線の先には押し入れの襖からこちらを覗き込む少女の姿があった。
しかし少女は幽々子と目が合うとまた押し入れの奥に逃げていった。どうやら本当に怯えているだけのようだ。
そうと決まればやることは一つ、と幽々子は押し入れに近づいた。
妖夢が何をするつもりかを尋ねるより早く、幽々子は少女の尻尾を掴んで少女を押し入れから引っ張り出した。
「………やぁ!」
突然のことに少女は硬直するが、妖夢と幽々子の姿を確認すると暴れ出す。
しかし幽々子は少女を強く抱きしめて頭を撫でる。
「大丈夫、大丈夫よ。怖くないわよ。私は絶対に貴女を傷つけたりしないわ。安心して、ね?」
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