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「魅桜、なんてどうかしら」
幽々子は妖夢の方を振り返り言った。
「魅桜、ですか。良いと思いますよ。………幽々子様にしては」
最後の辺りは呟くように妖夢は自らの感想を述べた。
最後の言葉が聞こえなかった幽々子は満足そうに頷き、何がなんだか分からないと言いたげな少女の前に座る。
「いい?貴女の名前は今日から西行寺 魅桜よ」
「みさ………?」
「魅桜よ。み、さ、く、ら」
「みーさーくーら?」
「そう。魅桜」
「みさくら」
「良く出来ました」
幽々子はまるで自分のことのように喜び魅桜の頭を撫でた。
魅桜は気持ち良さそうに目を細めるが、少しすると幽々子をじっと見つめる。
「どうしたの?」
幽々子が尋ねると、魅桜は幽々子と妖夢を指差す。
「ああ、私は西行寺 幽々子。で、こっちが………」
「魂魄 妖夢です」
「ゆゆこ?よーむ?」
「はい、良く出来ました」
幽々子は再び魅桜の頭を撫で回した。
魅桜も再び目を気持ち良さそうに細めて幽々子に擦り寄った。
それを微笑ましげに見ていた妖夢はあることに気がついた。
「………絶対夕飯冷めてる」
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