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怪しい。
白玉楼の庭師、魂魄 妖夢は自分の主人である西行寺 幽々子に違和感を感じていた。
それは幽々子が珍しく買い物に出て、帰ってきた時からだった。
玄関での物音一つ無く、いつの間にか部屋にいた幽々子に声をかけると慌てて何かを背後に隠し、どうかしたのかと尋ねてみても冷や汗をかきながら笑ってごまかすのだ。
隠れておやつでも食べていたのかとでも思ったが、食べ物のこととなると色々とすさまじい幽々子が、見つかるなどといった失態をする訳がない。
忍び込んで調べてみようかとも思ったが、主人の部屋に無断で入り込み、あまつさえ漁るなど言語道断。
故に妖夢は悩んでいた。
危険物でなければいいのだが………幽々子なら外の世界から流れてきた、得体の知れないものを拾って来てもおかしくない。
考えながら歩いていると、いつの間にか妖夢は幽々子の部屋の前にいた。
妖夢は夕飯の仕度が出来たため、幽々子を呼びに来たのを思い出すと部屋の中の幽々子に呼びかけた。
「幽々子様ー、夕飯の仕度が………」
「よ、妖夢!?ちょっと待って!」
ドタバタと何かを急いで隠すような音が聞こえた後、幽々子が部屋から出てきた。
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