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「幽々子様、これは………」
「………」
完全に諦めた幽々子は無言で箱の一点を指差す。釣られて見ると、『生物につき注意』という貼紙が。
「成る程、『せいぶつにつき注意』ですか………で、何が入ってるんですか?犬ですか?」
「………その、えっと」
問いかける妖夢に対し、幽々子はバツが悪そうに口ごもる。
「開けますよ?」
「………ええ」
もう完全に諦めたのか、幽々子は反抗することなく頷く。
妖夢は多少胸を高鳴らせながら箱を開ける。
「幽々子様………」
「何?」
箱の中には身体を丸めて眠る少女が入っていた。
少女はとても小柄で紅魔館の主、レミリア・スカーレットと同じくらいの背丈だろう。
つまり、まだ子供である。
容姿は先ずとても長い髪が印象的だった。まるで生まれてから一度も髪を切ったことがないような、立っても地面届くであろう長さだ。前髪も後ろ髪と同じく長く、顔を覆い隠して地面に達しそうな長さだが、今は寝転がっているため顔が見える。
その寝顔はとてもかわいらしく、見たものを一瞬で和ませてしまう程だ。
寝ている少女を見ていた妖夢に戦慄が走る。
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