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幼女+可愛い=誘拐
妖夢の頭の中ではその方程式が出来上がっていた。
「何をやっているんですかぁぁあああ!?人里の子供を誘拐など………」
「よ、妖夢、落ち着いて?」
「これが落ち着いて………」
「腰の辺りを見なさい」
幽々子に言われ、箱の中で寝ている少女の腰の辺りを見る。
そこには尻尾があった。犬や猫といった哺乳類のようなふさふさした尻尾ではなく、鱗に覆われた爬虫類のような尻尾が少女の腰の辺りから生えていた。
普通の人間には尻尾は生えていない。つまり、この少女は―――
「………妖怪?」
「ええ、そうよ」
幽々子が誘拐犯になっていないことを知り、妖夢は胸を撫で下ろした。
しかし、同時に新たな疑問が生まれた。
「幽々子様、だとしたら何故この子を此処に?」
そう、誘拐でないのなら何故この少女を白玉楼に連れてきたのか。
妖夢は幽々子に問いかけると、改めて少女を観察する。
黒く長い髪、端正な顔立ち、爬虫類のような尻尾………そして裸。
先程までは慌てていて気づかなかったが、少女は一糸纏わぬ姿で寝ている。
幽々子の怪しさが更に増した。
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