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じとーっとした視線を向ける妖夢を尻目に幽々子は理由を話し始めた。
「買い物帰りにこの箱を見つけたんだけどねぇ、食べ物か何かが入ってると思ったら、可愛い妖怪が入ってるじゃない。食用じゃないっていうのは直ぐに分かったわ。夜雀じゃあるまいし。で、どうしようか考えたんだけど、唐突に地霊殿がわんにゃんランドになってることを思い出したのよぉ。動物っていいわよね………とても癒されるし。アニマルセラピーだったかしら。私も可愛いペットに癒されたいなーって思ってね。気がついたら箱を抱えて部屋にいたわ」
要約すると、子猫か何かみたいな感じに拾って来たということだ。
「ねぇ妖夢、飼ってもいいでしょ?」
「はい」
「あら、反対しないのね」
白玉楼の主は幽々子であり、妖夢はその従者。主が決めたことに問題が無ければ反対などしない。むしろペットを飼うことはいいことではないか、と妖夢は考えていた。
ただ、食費が心配だが。
「あら」
「どうしまし………あ」
幽々子の視線を追うと、少女が体を起こし、まだ眠そう目を擦っていた。
少女は欠伸をするとボーっと虚空を見つめていた。
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