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「あらぁ………可愛いわねぇ」
幽々子は少女に近づくとポン、と頭に手を置いた。
その瞬間、少女はビクリと跳ね上がって箱から飛び出し、逃げるように押し入れに飛び込んだ。
「………」
「ゆ、幽々子様?」
「燃えたよ……燃えたわ。真っ白に」
幽々子は沈んだ表情で寂しそうに言った。心なしか負のオーラが見えるのは気のせいだろう。
すっかり元気を無くした幽々子の代わりに妖夢が押し入れの中を覗くと、隅っこで座り込む少女の姿があった。
少女は壁の方を向いており表情は分からないが、頭を抱えて震えていることから怯えていることが分かった。
「あの………」
「!?」
妖夢が声を掛けると少女は再び跳ね上がり一層震え上がる。
その様子に妖夢は意思の疎通は難しいと考え、幽々子と相談することにした。
「幽々子さ……ま……?」
「嫌われた嫌われた嫌われた嫌われた嫌われた嫌われた嫌われた嫌われた嫌われた嫌われた嫌われた嫌われた嫌われた嫌われた嫌われた嫌われた嫌われた嫌われた」
まるでこの世の終わりのような表情をして呟く幽々子を前にし、妖夢は溜め息を吐くのだった。
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