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(は?オレは途中までしかしてねーぞ!)
担任は、上機嫌で翼を誉めているその傍らで、翼は、少年の話に夢中になり、プリントは途中までしか解いていないと考えた。何より、苦手な数学が全問正確だという。翼は、更に混乱する。
(夢だった?あの少年……けど、リアリティあったぞ)
「そうだ。高垣!さっき、教室の外で友達から預かったやつがあるんだが…」
そう言い、担任は、背広のポケットから、小さなメモ帳を渡した。
「戸締まりしたら、帰れよ~」
担任が、教室を出ていったのを見てから、メモ帳を開くと、綺麗な文字でこうあった。
〝約束通り、8時にまっているよ。追伸、プリントはやっておいたから〟
多分、あの少年だと確信し、翼は夢じゃなかったと、安心した。
そのまま、教室に鍵をかけ、職員室に寄り……帰宅したのだった。
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