第一話 「鏡」

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「カッコイイ名前じゃん!よろしくな」 「うん」 翼は、七夜と共にフェンスを上り、校内へ入った。 「うわぁ、真っ暗じゃん!懐中電灯持ってきたら良かったぜ」 夜の学校は、昼間と違って見える昼間は、沢山の生徒や教師で溢れているからか、とても賑やかだ。しかし、今は、誰も居らず、静寂が漂っており、翼と七夜の足音しか響かない。 「懐中電灯を職員室から借りたんだ。翼くんの分もあるよ」 「お前、準備いいな~」 七夜から懐中電灯を受け取り、スイッチを押した。淡い光を放つそれは、充分な灯りといえる。 「七夜、怖い話とか好きなクチか?」 「うん。興味深いよ!人間だって、同じじゃないか!怖いって思っても、知りたいって欲求には逆らえないからね」 七夜は、イキイキとした様子で言った。 深夜零時まで時間は、ある……それまで、翼と七夜は、件のトイレが近い場所で待とうと考え、二人は、階段に座りながら、都市伝説や、七不思議に纏わる話に花を咲かせた。
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