プロローグ

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旅に出てだいぶたってからのこと。 1人の少年に出会い、供に旅をすることとなった。 その少年は、どこまでも冷静な少年だった。 また旅を続けてだいぶたち、また1人の少年に出会った。 その少年も、また旅を供にすることになった。 その少年は、どこかに迷いを持っている少年だった。 更に旅を続けると、また1人の少年に出会った。 その少年も供に旅をするようになる。 その少年は、どこまでも明るい少年だった。 いつの日か、少女は3人の少年に心を開いていた。 そして、最初に出会った少年には『moon』を、2番目に出会った少年には『tree』を、最後に出会った少年には『sun』を、それぞれ手渡した。 彼女たちは、毎日いっしょに笛を吹く。 太陽の下。 月の下。 木陰。 花畑の中。 みんなの感情が違っても、4つの音が1つの曲に聞こえるようになったある時。 吹いていた4つの笛が、光り輝いた。 このときを、少女は待っていた。 そして、4人で4つの笛を空に掲げ、かざし合わせると、1つの笛になった。 その笛の名は、『rainbow』 いつの日か、人々がうそをつくのが普通になってしまった時に4つの笛になった笛。 そして、その笛を、少女が吹く。 うれしさや、喜び、楽しさをまぜて。 くやしさや、悲しみ、さびしさを織り混ぜて。 そして、1人の少女と3人の少年が輪になっていると、1つの笛が降りてきた。 ずっと共にあった笛に引きよせられるかのように。 そして、いつの日か、1人の少年が去った。 『moon』を持っていた彼は、冷静すぎたところを直したから。 そして、またいつの日か、1人の少年が去った。 『tree』を持っていた彼は、迷いの答えを見つけたから。 いつの日か、2人になってしまった少女と少年。その2人は、2つの笛を吹く。 少女が吹く笛は『rainbow』 少年が吹く笛は『sea』 2人は、いつの日か、『うそ』ではなく、いつでも『真実』を話していた。 少女と少年は笛を吹く。 空に向かって・・・。 海に向かって・・・。 ただただ横に並んで 『真実』を・・・。
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