第1話 故郷に帰るまで…

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2人で旅を続けて大分たったある日の事。 いつものように笛を吹いていると…。 バタッ――――― 少女が倒れた。 少年は驚いて、即座に少女へと駆け寄った。 幸いにも、比較的大きな街に立ち寄っていた所だったので、彼はすぐに少女を背負い、病院へ走った。 少女は肺の病気にかかっていた。 現在、彼女はベッドでスヤスヤと眠っている。 その横で少年は、 (――ハァ…――) 溜め息を吐いた。 少女がようやく目を覚ました。 病室の窓付近で、少年が『sea』を吹いている。 ――哀しみで…。 少年が指を止め、ゆっくりと少女の方を向いた。 「…起きたのか」 少年が言うと、少女は小さく頷いた。
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