足跡

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辺りは闇 下は泥道 遠くに見えるのは仄かな月明かり あそこにはどうやったら行けるのか よろめきながら足を進める 一歩一歩、泥に捕らわれながら 後ろを振り返れば のめり込んだ深い足跡 しっかりと刻み込まれた僕の証 再び前を向くと 何も変わらない黒い道 僕は逃げた 転がり込んだ青い草原 捕らわれることもなく 早足で駆け抜ける 息をついて振り返れば 何もない草原 足跡もない 僕の軌跡は何一つ 僕が生きた証は何一つない .
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