新庄真の一期一会①

7/27
前へ
/207ページ
次へ
 世間の注目も一通り浴び、『星屑の大地』は十年間ほど静かに時を刻んでいた。  異変が起き始めたのはそれからだった。  『星屑の大地』の上空を自衛隊の航空機が行き交うようになる。  有事の対応をしているかと錯覚するほど、昼夜問わず航空機のエンジン音が響いた。  騒がしくなった空を国民は顎を上げて注目する。  そんな中、今度は『星屑の大地』を取り囲むようにフェンスが設けられた。  中層ビルと同等の高さを要し、存在感をみせつける。  それはまるで獣を飼うために作られた檻のようにも見えた。
/207ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加