嘘つき。

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早起きが苦手な俺が朝の六時に起きて、 ヒョンのために服を選んで、 ヒョンのために髪をセットして、ヒョンのためにヒョンの好きそうな香水を選んで、 さぁ行きますかって時に。 『ごめん。今日、行けなくなった』 『……は?』 『昨日、急用が入ったんだ』 『急用って……、デートは!?』 『仕方ないだろ。そっちはまた今度な』 俺の頭にヒョンの手が乗って、くしゃくしゃと撫でられる。 いつもなら嬉しいはずの行為が、今日は異常に頭にきた。 俺はその手を振り払って、部屋を出た。 そして今にいたるってわけ。 「ユチョン、俺もう行くから。帰ってきたら話そう。いいか?」 「………」 「…はぁ…、じゃあな」 ガチャン、 遂に、俺1人になった家に、玄関の閉まる音が響く。 ―1人。 俺が一番嫌いなもの。 それは、ヒョンが一番わかってると思ってた。 いつも、俺が1人になると隣にいてくれたのはヒョンだったから。 「…っぅ、ばっかみてぇ…っ…」 1人で期待して、舞い上がってた。 とうとう嫌われたかな。 最後のため息だって、完全に呆れられた感じだったし。 もう、おしまいなのかな? 俺達。
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