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パチン、と手帳を開いて写真を取り出す。
写っているのは、幼い頃の私と、ストレートの綺麗な黒髪と吸い込まれそうな漆黒の瞳を持つ美人。
「これのこと?」
「うん」
翠は無邪気に頷く。
「この人はね、私の母様」
「母親?それにしちゃ似ても似つかねぇな。黒髪の方が美人」
ほんとに失礼ねこのセクハラ大魔王は!
アンタに言われなくてもわかってるわよ。
つーか横から入ってくるんじゃないわよ。
「ゆっくん……こういう人が好きなの……?」
あ、翠が突然変な方向に向かっている。
「え、いやそうじゃな――」
「ゆっくんのばかぁぁぁぁぁ!」
「おいちょっと待て翠ぃぃぃぃぃ!」
ああ、騒がしい。
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