Turn 1 午後の風の中で

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パチン、と手帳を開いて写真を取り出す。 写っているのは、幼い頃の私と、ストレートの綺麗な黒髪と吸い込まれそうな漆黒の瞳を持つ美人。 「これのこと?」 「うん」 翠は無邪気に頷く。 「この人はね、私の母様」 「母親?それにしちゃ似ても似つかねぇな。黒髪の方が美人」 ほんとに失礼ねこのセクハラ大魔王は! アンタに言われなくてもわかってるわよ。 つーか横から入ってくるんじゃないわよ。 「ゆっくん……こういう人が好きなの……?」 あ、翠が突然変な方向に向かっている。 「え、いやそうじゃな――」 「ゆっくんのばかぁぁぁぁぁ!」 「おいちょっと待て翠ぃぃぃぃぃ!」 ああ、騒がしい。
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