親切心は蜜の味

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くも…雲…クモ、あっ…鳥だ。 「はあ~あっ」 転校初日でしかもまだ、一限目の英語が終わったばかりだ。なのに私は高校の屋上に一人きて空をボーッと見ていた 「君が葛西 綾さん?」 後ろを振り返るが誰もいない 「上、上っ」 ふと上を見上げると屋上の出入りする出口の屋根の所にショートで茶髪の男性がいた 「あっ、貴方は…?」 「オレ?俺は藤原 俊介っていうんだよろしくね! 因みに真島ん所に居るから」 (真島さんを呼び捨てなんて何か凄い) すると、藤原君は屋根から飛び降りて私の目の前に着地する 「それでぇ~、君はいったい何を悩んでいるんだぃ?」 彼は私を通り過ぎて手すりに両手首を載せながら校庭を見つめて私に尋ねる 「そっ、それは…」 すると、藤堂君の言葉がよみがえる 『中途半端な優しさなら辞めとけ今後のお前の人生を大きく左右するぞ』 「いっいえ、大丈夫です。あの…その失礼します!」 「そっかぁ~。綾ちゃんも何か転校初日からいろいろと大変だよねぇ~。 歩の奴には巻き込まれちゃうんじゃ…」 私が出入り口の手前まで来ていた時に藤原 君は進藤君の名を口に出した 「彼の事を知っているんですかっ?!」 藤原君からは不気味な笑みが零れる 「あぁ…。彼の事はよぉく知っているよ。彼の過去も彼がなぜ藤堂 匠達と不仲なのかもね」 (ここで私が彼の過去を知れば深入りする事になる?)
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