親切心は蜜の味

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藤原が居なくなり一人、階段に取り残されたオレ(藤堂 匠)は 階段先の扉を見つめていた… その先を出れば葛西が。葛西 綾が居る彼女は今、どんな顔をして悩んでいるのだろうか? いや、そもそも悩みの種を作ったのはオレ自身だ。この先灯明で過ごすとしたらこんな事で悩む位なら彼女の身が持たない… 「はあ~、何を考えているんだ オレは?」 仕方ない悩むより、先ずは行動だオレは階段を上り屋上へとたどり着くとまず、目に入ったのは葛西綾の寂しげな背中だった 「葛西…」 オレが声をかけると一瞬、彼女の身体は震えるが互いに向かい合う 「とっ…藤堂君?どうして?」 オレはゆっくりと彼女の隣に近づいた 「さっきは…その何て言うか済まなかった」 「ホントよ…おかげで授業サボるかサボらないか悩んだんだから」 「ハハ、それじゃあ。この先、 灯明高校で過ごすなら身が持たないぜ新米さん?」 「むっ…そんな言い方しなくたって良いじゃない。本当に悩んだんだから」 「悪かった…」 「ねぇ、藤堂君。進藤君ってこのあと何か罰を受けたりするの?」 彼女から罰という単語が出たのは以外だった、むしろオレは藤原の奴を疑った… 「どうして、そう思う?」
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