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翌日、慌ただしい音が葛西家に響き渡る
「寝坊したぁあ~」
鏡をみて長い赤髪をポニーテールの状態にする女性
名は綾(あや)
「どうして、起こしてくれなかったのよぉ?」
台所で朝食の仕度をする母・清美(きよみ)に怒鳴る
「何、甘えてるのよ?少しは自立しなさい。それに昨日、言ったでしょう髪の毛黒く染めなさいって?」
「お母さんも知ってるじゃない
染めても二、三日と持たないんだから」
「でも、転校初日よぉ?」
「あぁ~もぅ、朝飯良いわ!
それとまだ2階で光(ひかり)寝てるからね。行ってきまぁあす」
「あっ、ちょっと綾!車には気をつけてね!!!光っ!?早く起きなさい」
父・ 晴雄(はるお)は新聞を広げながらコーヒーカップを片手に持ち飲みながら呟く
「全く静かに出来んのかね…」
「仕方ないでしょう?どっかの誰かさんが転勤になったんですから」
「う~ん、さて私もそろそろ行くかなと」
父・晴雄の仕事は検察官で田舎から東京に引っ越してきたのだ
するとボサボサ頭に赤髪のストレートでやって来る女性、綾の妹で名は光
「光~、早く準備しなさい?」
「はぁい、お姉ちゃんは?」
「もぅ、行ったわ」
「早っ…」
「貴女が遅いのよ」
清美、光の二人で朝食を食べ始める。
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