親切心は蜜の味

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藤堂君が倒れ込んでいる相田君に何やら数分話し終えると相田君から耳を塞ぎたくなる位の凄まじい絶叫が響き渡る 「ハァアアアッ!?タク!!! お前、馬鹿か!頭を打ったのか?状況が掴めてねぇのか?」 相田君は起き上がり藤堂君の胸元を両手で掴んで私の居る位置まで押しながら質問攻めしていた 「俺は正常だ宗輔。何処も頭を打ってねぇし、状況もしっかり分かってる」 「じゃあっ!じゃあなんで、今更あいつの所に行くなんて言い出すんだよ!?らしくねぇぞ?」 「まぁな…らしくねぇのは分かってる。けど、あとは隣に居る転校生に聞けよ…」 「綾ちゃんに?」 「あのね…相田君、藤堂君から三大勢力のルールについて改めて説明を聞いたの」 「なら、綾ちゃんも分かるだろうっ?」 「私にはね。さっき藤堂君にも言ったけど可笑しいと思うの…」 「可笑しいって?」 「お前、俺と同じリアクションだな…」 「タク、少し黙ってろよ。綾ちゃん、続けて…」 「うん、だって友達が暴力を見て相田君はほっとけられるの?! 私は出来ない三大勢力が何だろうが、私には関係ないわ。だってもう皆…友達だからさ私、大事な友達をほっとけられる程、冷たい人間に何てなれないよ…」 すると、相田君の両肩が上下に小刻みに揺れる 「くくっ…くはは!!いやぁ、綾ちゃん、俺の負けだよ。俺も最初は綾ちゃんと同じ気持ちだったさ こいつを絶対に守ろうってな」 相田君は笑顔で藤堂君の背中を二、三度叩いた 「でもね…綾ちゃん。人って変わっちゃうんだよ。俺も綾ちゃんと同じ考えを持ってたけどいつの間にかこの高校で過ごす内に忘れて行くもんなんさ」 「私は変わらない、そんなんだったらいっその事。私がそんな、くだらないルールをぶち壊す!」 「言うねぇ~綾ちゃん。気にいったぜ、悪いなタク…」 「ん?何が?」 相田君は掴んでいた両手を離して私の隣に移動する。
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