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執事さんに案内されて進藤君の部屋の前まで来た私…すると、ヒデ爺さんと呼ばれている執事は私に小声で呟く
「歩坊ちゃんの事、よろしくお願い致します」
「え?えぇ…」
執事さんは私にお辞儀をしてその場から立ちさり私はドアをノックする
「どうぞ…」
中から進藤君の穏やかな声が聞こえた。私は迷わずドアを開いて中に入ると真っ白な服に身を包む進藤君の姿は正に王子様を思わすかの様だった
「あれ、葛西さんだけなんだ」
「ふぇ?あっ…あの強情で意地っ張りな馬鹿な奴ねあいつら急に外で待ってるとか言い出して…」
「そっか、タクは相変わらずだなっ…そっちに立ってないでこっちに来なよ」
「うん…」
進藤は丸いテーブルの向かい側に座り私は反対側に座る
「それで?わざわざ、家に来た理由は何かな?」
「怪我は大丈夫かなって思ってさそれとね…屋上で藤原君に会ったよ」
「俊介に?」
「うん、何か彼も進藤君の事。気にかけてたよ?」
(俊介…お前もまだ、琴美の事を乗り越えられないんだな。
それにしても…似過ぎてる
これは神のイタズラか何かか)
「それとね、相田君が…」
すると、何を思ったか進藤君は立ち上がり彼の左手が私の顎を天井へと向け…
(えっ……?)
刹那、彼の唇と私の唇が重なり合った時に扉が開かれ部屋には藤堂君が呆然と私達二人を見ていた。
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