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「ふぁ~あ、眠っ…」
身体はだるいし筋肉痛だなこりゃ昨日の花梨とのS○Xのせいだな
ぜってぇそうだ…
会ったらアイツにデコピンかますかな
(うん?何の音だ?)
匠の後ろから全速力で自転車を加速させる女子生徒がベルを必死に鳴らしながら叫んでいた
「すみません、そこッ!!どいて下さい!!!」
「ぉわっ!?…危なっ…」
匠はぎりぎりで自転車を横へと回避した
「何なんだあの女は?」
オレが学園の正門に到着すると同時に放送が流れ出す
『あ~、藤堂 匠 正門前の藤堂 匠。至急、職員室に来なさい』
担任からの面倒な呼び出しだった。まるで、それを待ち望んでいたかの様に正門付近に設置されてある駐輪場から数人の男子生徒が近寄ってくる
(ちっ…)
「よぉ~、藤堂じゃねぇか
朝から担任に呼び出されるなんてお前も付いて無いねぇ」
灰髪の男性が呼びかける
「うるせぇよ…朝からテメェの顔なんざ見たくねぇんだよ。
真島(まじま)…」
「ケッ、こっちだって見たかねぇよ藤堂」
「あん?」
「まぁまぁまぁ~落ち着いて下さいよ二人共、真島さん。今日はそんな用じゃないでしょう?」
「面倒だ。コイツと話すだけで胸くそ、わりぃ…代わりにお前が話せよ
健太(けんた)…」
「ハァ~また、オレっすか?
分かりましたよ、やりゃあ良いんでしょ?やりゃあ~ったくもぅ」
健太と呼ばれた男性が手帳を取り出して何やらメモを取る仕草を見せる
「おめぇも、大変だなぁ~藤崎。それで?何だよオレに用って」
彼の名は藤崎 健太(ふじさきけんた)
真島の最も信頼されている仲間だ
「今日、どうやら藤堂のクラスに転校生が来るみたいなんすよ」
(情報が早ぇなぁ~)
「転校生の事は聞いていたがまさかうちのクラスなんて聞いてなかったぜ…」
「そうっすか…、性別は女でどうやら父親が検察官の人間みたいっすよ…」
「おぃ!余計な情報まで言うな」
真島が藤崎の説明を遮る
「話しは以上だ…じゃあ、また後でな逃げんなよ?」
「…」
オレは無言のまま、駐輪場から職員室へと歩を進めていく。
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