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私は公園近くの所で降ろされて相田君の話によると数分後には長谷さんが迎えに来るというのでしばらく呆然とその場で立ち尽くしていた
進藤邸でいきなり進藤君にキスされた瞬間を思い出してしまい唇に手が触れてしまった
(嫌だ…何してんだろう。私ってば? 今日は転校初日で授業はサボるし、しかもいきなり男子生徒からキスされるなんて)
あれこれ考えていると長谷さんがやってくる
「ねぇ、葛西。あんた…大丈夫?」
「あっ、長谷さん」
「うん。大丈夫かな」
「そう。じゃあ、私が学校まで送るから」
「有難う…」
公園付近から離れ海沿いを私と長谷さんは歩いていた
「宗輔から聞いたけど、何か悩んでんなら私に話してみなよ?」
「えっ?!」
「はぁ~っほんと、あんたって子は分かりやすい子ね歩に何かされた?」
(…鋭い)
長谷さんは私の先を歩きながら話しを続ける
「まあ~歩の事だから、どうせあんたにキスとかしたんでしょ?」
「…………」
「嘘っ?!マジで…?今のは半分冗談で言ったんだけども」
長谷さんは急に振り返り私の顔に近づく
「はあ~、あのバカ」
「あっ、あの」
「うん?」
長谷さんと、進藤君って幼なじみ何ですか?」
「そうよ、小学校からね。歩の事は良く知ってるわ
けど、あんたに転校初日にキスまでするなんてねぇ」
「私、教室で藤堂君や長谷さんが進藤君達が話していた会話を聞いたんですけど【琴美】って…
誰なんです?」
長谷さんの表情が変わった
「葛西いい?アンタ、【琴美】の名を口にするって事は私達の中では禁句なんだよ…」
「それはどういう?」
すると、一台の車が私達二人の付近に急停止する
「よ~う!?長谷じゃねぇか」
運転手の姿を見た長谷さんは顔が恐怖に満ちた顔に変わり私を無理矢理、前へと歩かせる
「なっ、長谷さん?」
「良いから無視よ」
彼女の手は振るえながらポケットから携帯を取り出して相田君へと連絡する。
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