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廃工場では新田 章の笑い声だけが響き渡る
彼の目の前には上半身を丸裸にされ、顔を何発か殴られ横たわる長谷涼子の姿があった
「アハハハッ!!!
良いね、良いねぇ~涼子ちゃん!!やっぱあんた、最高だよぉ~
うん!!ナイスボディーだよぉお~
ちょっと騒ぐから顔の方は二、三発くらい殴らせて貰ったけどさぁ
やっぱり良い体してんねぇ~涼子ちゃん」
「きっ…気安く呼ばないでよこのッ…変態が」
「あれれ?気がつきましたか??あらまぁ~、でも残念。愛しの愛しの王子様は結局、ここが分から無かったみたいだねぇ」
(そっ…宗っ輔…)
「良いね!最高!!!その絶望感に満ち溢れた顔を裸体と一緒に写メにとっておかなきゃ!!!
え~っと、携帯、携帯…っと」
すると、廃工場の出入り口のドアが一台のバイクにより突き破られた
「うっそ~ん」
新田はバイクに乗る二人の男性を見て愕然とする
「ハァ…ハァ、涼子!!!」
「宗…輔なの?」
長谷の視界はぼやけていて二人の姿を捕らえる事が出来ない
「タク、涼子を頼む…。
オレは新田の野郎を」
「分かった油断すんなよ」
「ああ…」
オレは涼子まで駆け寄り手足を縛られていた縄を解いていく
「長谷、大丈夫か!?」
「タク、きっ…来てくれたんだ」
「当たり前だろ!ほら、俺の上着貸すから」
長谷の体に上着を着せてふらつく彼女を支えながらバイクまで誘導しする
「なぁ~んだ、結局白馬の王子様のご登場って訳かぁ~?チッ…」
新田は舌打ちをしながら携帯をポケットにしまい両腕を組んで目の前で上着を脱ぎ捨てて白いワイシャツ姿になる宗輔に尋ねる
「新田、テメェ覚悟しろよ?
お前はオレの大切なもんに手を出したんだからな?タダで済むと思うな?」
「勿論、初めから思ってないさ。最初からこっちはそのつもりだったからねぇ」
新田は近くに転がる鉄パイプを拾う
「何だと?」
「前から気にいら無かったんだよねぇ。 君みたいな奴がどうして涼子ちゃんと付き合ってるのかってさぁ~?」
「相思相愛だからに決まってんだろうがこのストーカー野郎が」
「今のはカチンと来たよ?相田ぁ?!彼女と君とじゃなく、オレの方がお似合い何だよ!!!」
新田の手に握られていた鉄パイプが宗輔に向かって勢い良く振り下ろされるが宗輔は横に体を捻り回避するが新田による攻撃は続く。
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