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「待っ、待てよ風間…トレード?木村と進藤を?」
「ああ…。オレの勢力に女は必要ねぇだろうだとよ
ったく、言いたい放題いってくれやがるぜ」
「それで木村を此処に連れて来たのか?」
「そうだ、後はよろしくな」
風間の隣に今まで黙って立っていた木村の背中を軽く藤堂の前に押し出す
「キャッ!!!ちょ、蓮!ねぇ本気なの?」
「うっせぇ!しつけぇぞ!取引は既に行われてんだよ…
恭子、今日からテメェは俺様の敵だ。良いな?」
だが、木村は涙を流しながら首を左右に振る
「嫌だ…いやだょう…蓮から離れたくない」
立ち去ろうとする風間の腰にしがみつく木村だが風間は容赦なく彼女を突き飛ばす
「大丈夫かよ!?」
オレは彼女の身が心配になり近づくが軽く手を払われる
「成る程な、これで進藤のトレードの意味も分かったぜ…
よかったな、恭子!新しくそっちで男でもみつけな!!
じゃあな、二度くんじゃねぇぞ
それと…藤堂」
「あっ?」
「トレード成立だな」
「なっ、ちょっと待て風間!
オレはまだ…」
刹那、木村が大きな声を出しながら泣き出した
「ほら、ハンカチだ…」
彼女はハンカチを奪い取り両目を押さえた。もう一度、振り返ると工場内に風間の姿は何処にも無かった。
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