神は暇なのだ

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黒で統一された小さな部屋 奇妙なことに、部屋には窓も扉も存在しなかった 閉じられたこの空間の主はシンプルな造りの黒いイスに腰掛けている それは部屋の色と同じ黒い衣服に身を包んだ男・・・いや、性別は無い なにせ‘神’なのだから 神は冷たく透き通るような美貌の持ち主で、その端正な顔には常に一つの感情しか浮かばない 退屈 そう、この感情こそ数多の神々を悩ませる究極の苦痛 だから神々は考えた 退屈をしのぐ方法を DIVINE GAME そう名付けられた神々の遊び 「もうすぐだ」 神が立ち上がり、部屋の壁へ手を当てた 「もうすぐこの退屈も終わる」 壁に大きな穴が出現した その奥に見えるのは無数の魂による奔流 神はその流れに手を突っ込んだ まとわりついた魂をかき分け、条件に合う魂を探る 「見つけた!」 今までピクリとも変化を見せなかった神の表情が歓喜に染まる 神は 一つの魂を掴み出した 、
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