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それから数日の間、大奥はピタリと動きを止めていた。
お万の懐妊が公になることもなく、里沙ちゃんが御台さまからの献上として側室に召されることもなく、“もののけ姫”のあたしはクビにはならないけど、だからといって御寝所に呼ばれることもない。
物の怪も、様子を窺っているのか姿を見せない。
一見、あたしがここに来る前の日常が戻ってきたみたいな日々がのんびりと流れていた。
しかしその一方で…。
あたしと上様は、メールサーバの景弘くんを通して、ひんぱんに文のやりとりをしていた。
上様には『ふだんのしゃべり言葉を楷書で書いて』とお願いしたので、翻訳係の結衣ちゃんを間に入れなくても、どうにかこうにか意思の疎通ができている。
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