783人が本棚に入れています
本棚に追加
前回、あたしのケータイに届いた不思議なメール。
…『月ガ姿ヲ隠ス時、コノ日々ハ終ワル』
その言葉どおり、あたしは新月の夜にここを去った。
でも今回は…。
「あたしも気になって、ときどきiPhoneを見てみるんだけど、タイムスリップの神様はスマホには対応していないのか、電源すらはいんないんだよね」
「あいふぉん? すまほ…?」
「あ、ごめんごめん。えーっと、ようするに、今回はお告げはないかもしれない」
「それは、あちらへは帰れぬ、ということか?」
「どうだろう、わかんない。でも、あたしがここで何かを成し遂げないと、帰ることはできない気がするんだよね」
「中の丸の御台さまを、上様に会わせたように?」
「うん。そして今回のミッションはたぶん…物の怪退治」
ごくり、と志乃ちゃんの喉が鳴る。
「蘭は、物の怪はおると思うのだな」
「いる。だから、退治するんだよ」
最初のコメントを投稿しよう!