10 対決前夜

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前回、あたしのケータイに届いた不思議なメール。 …『月ガ姿ヲ隠ス時、コノ日々ハ終ワル』 その言葉どおり、あたしは新月の夜にここを去った。 でも今回は…。 「あたしも気になって、ときどきiPhoneを見てみるんだけど、タイムスリップの神様はスマホには対応していないのか、電源すらはいんないんだよね」 「あいふぉん? すまほ…?」 「あ、ごめんごめん。えーっと、ようするに、今回はお告げはないかもしれない」 「それは、あちらへは帰れぬ、ということか?」 「どうだろう、わかんない。でも、あたしがここで何かを成し遂げないと、帰ることはできない気がするんだよね」 「中の丸の御台さまを、上様に会わせたように?」 「うん。そして今回のミッションはたぶん…物の怪退治」 ごくり、と志乃ちゃんの喉が鳴る。 「蘭は、物の怪はおると思うのだな」 「いる。だから、退治するんだよ」
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