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止めようとする結衣ちゃんたちを制して寝間着の上に小袖を羽織って廊下に出ると、騒ぎで目が覚めた奥女中たちが数名、襖の隙間からうっすらと灯りが漏れているお万の部屋の様子をうかがっている。
その子たちをかき分けて中に入ると、煌々とロウソクが灯された部屋の真ん中に真っ青な顔をしたお万がうずくまっていた。
その足を診察しているのは、例の美中年医師じゃなくて、おじいちゃん先生。
こ、これはもしかして、上様を診ているという御典医!?
やっぱり、懐妊している側室の診察ともなると、大先生がおでましになっちゃうってことか。
「ああ、お楽さま!」
ほとんど泣きそうな顔で駆け寄ってきたのは、お玉ちゃん。
「お万さまが転んだって!? えーっと、あのう、あっちのほうはだいじょうぶだったの?」
誰が聞いているかわかんないから、小声で尋ねる。
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