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「な…なんと…では、物の怪はお振ではないと…?」
「だからあたしは文に何度も書いたでしょ、物の怪はいない、って。今夜それを証明する、って。ちゃんと読んでなかったの!?」
「確かにそなたの文にはそうあったが、まさか、この者がこのようなことをしでかすとは…」
「ふふん、上様はこの子のことを気に入ってましたもんね」
あたしの言葉をきいたお玉は、こんな状況であるにもかかわらず嬉々として、
「まことですか!? 上様がわたしを!?」
と、顔を上げる。
まったく、この子はどんだけ“自分大好き”なんだか…。
でも!
どれほど自分を好きであろうと、彼女のしたことは許されることではない!!
「お玉ちゃん、あんたどうしてこんなことしたの…って、そんなの理由はひとつだよね、ようするに上様の側室を追いやって、自分が後釜に座りたかったんでしょ」
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