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立て続けに目の前で繰り広げられたあり得ない展開に春日局に逆らう気力もなくした上様は、混乱した頭を抱えつつ、よろよろと中奥へ帰っていった。
主人不在の御小座敷に残ったのは、春日局とお万、里沙ちゃん結衣ちゃんの部屋子コンビ、墨染めの衣をまとった志乃ちゃん、中の丸から出張してきたお梅、そしてあたしという、わけのわかんないメンバーと、幽霊の扮装をしたお玉。
お玉を取り囲むように一同が腰をおろしたところで、上座に陣取った春日局が、口を開いた。
「さて、と。此度の騒動、すべてお玉がしでかしたこと認めるのじゃな?」
「…さようでございます」
「ん? この婆は耳が遠くなったのか、よう聞こえぬぞ?」
「はい、間違いございませぬ!」
しかしこのお玉って子は、肝っ玉が据わってるよねぇ。
こんな状況にもかかわらず、スッと背筋を伸ばして、春日局の視線を真っ正面から受け止めているんだからさ。
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