夏休みと奇跡の始まり

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僕は夏休みに入る前に友達と夏休みでの遊びの計画を家の電話で話し合っていた。 「さすがに課題終わらせないと自由に遊べないと思うから夏休みの前半は一緒に夏休みの課題を終わらせて後半思いっきり遊ぶってのはどうだ?」 「そうだなあ、後半に課題やろうとしてもうまく進まないと思うしな、それに絶対に母さんがうるさいだろ」 そんな計画をしていると玄関のドアが開く音と母さんの声が聞こえた。 「ただいまー」 「あ、母さん帰ってきたからとりあえず夏休みはそんな感じで頑張ろうなー」 「おう、それじゃあなー」 「じゃあねー」 僕は受話器を置いて母さんの元へ行った。 「母さんおかえり」 「遅くなってごめんねーすぐ晩御飯作るからね」 母さんはそそくさと買い物袋を持って台所に行った。 「今日のご飯は何?」 「今日は遅くなっちゃったからお惣菜コーナーから買ってきたものよ」 母さんも忙しいんだししょうがないよな、そう思った。 「あ、そうそうお母さんねちょっと夏休みの間長期出張になっちゃったのよ」 「そうなんだ」 「それで悪いんだけど夏休みの間田舎のおじいちゃんの家で暮らしてくれないかしら?」 「えっ!?」 突然の事で思わず声をあげてしまった。 「お願いよ涼一、帰ってきたらなんでも好きなもの買ってあげるから」 「いいよ、仕事で仕方なく行くんでしょ、帰ってきても別に何も買わなくていいから」 両手合わせてお願いされちゃ断れないよなぁ、それに母さん困らせるのも嫌だしな。 「ありがとう、涼一のそういうとこお母さん大好きだわー」 「ちょっと、苦しいよ母さん」 思いっきり抱きしめられて息苦しくなるけどこれが母親の温かさと思うと悪い気はしなかった。 そんなわけで僕は田舎のじいちゃんの家に来ていた。 「じゃあ夏休みの間よろしくねお父さん」 「おう任せとけ!」 母さんの父親のじいちゃんは年寄りの割に結構元気なじいちゃんで面白いから別にここに来たくなかった訳じゃない。 ただ友達との約束があったからってだけだ。 「よう涼一、久しぶりだな!」 「久しぶりじいちゃん夏休みの間よろしくね」
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