一章

6/9
前へ
/216ページ
次へ
クロノス「しっかし、名前クロノスとはなぁ……確か時間の司る神じゃん?あたいってばさいきょーね。」 ザクザクザクザクザクザクッ ぼやきながらも手を休めない。残るは二匹。 よし、逃げれるな。ってかこの魔法陣凄いな、空気中の魔力を吸収して使用者の意思によって発動するとか。そしてそれを入手したパピーは何なの? ん~……どうやって逃げるかな、流石に疲れたし。よし、木に登ろう!!でも登れない。だって足掛ける場所ないし木も高い。それに今の俺は5歳児スペック。 あ、鍼突き刺して足場にすれば良くね?今の俺なら五本纏めて刺せば普通に乗れるだろうし…… あたいってば天才ねっ!!! という訳で、牽制として適当にシルバーウルフに鍼を投げつつ後ろの木に鍼を投げる。 「『フレイムランス』!!!!」 クロノス「え?」 ザシュシュッ シルバーウルフ達がいきなり真横から炎の槍に貫かれて死んだ。え?なにコレ怖い。 「な!??何でガキがこんな所に!!?しかも三匹とも鍼まみれ……」 何か、炎髪紅眼のイケメンが大剣背負って出て来た。王道ならギルドマスターなんだけど、この人がギルドマスターなんて認めない。だって見るからに書類仕事しなさそうだもの。 クロノス「それ、殺ったのぼくだよ。」 「はあ?お前みたいなガキがAランクのシルバーウルフ五匹相手にか?」 クロノス「うん、ぼくのパパがくれたこの鍼のおかげだよ。投げても投げても無くならないからず~っと投げてたんだ!!!」 せめて年相応なガキを演じよう。 「……確かに、他に人居ないしなぁ………じゃなくて!何でガキがこんな場所に居るんだよ!!?」 はぁ、馬鹿だなぁ。捨てられたって気づけよ、脳筋。 クロノス「ぼく、捨てられたんだ~。」 「なに!!?」 クロノス「ぼくには魔力が無いから、要らないんだって!!」 正直、五大貴族なんて面倒でしょうがないから有り難いんだけどねっ!!
/216ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2779人が本棚に入れています
本棚に追加