序章

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ジリリリリリリリリリッ!!!! 二階建ての一軒家に、目覚まし時計の音が鳴り響く。 パシッ 「……………朝か。」 今は7時、高校は8時40分までに登校で所要時間は10分。余裕だ。 「さっさと起きなさぁ~い!!!!!」 「ぎゃあああああ!!!!」 朝っぱらからウッサイ……近所迷惑を考えろ。 何をどうしたら朝っぱらから隣家に響く声を張り上げる気になるんだ? あんな奴らと幼なじみとか……俺も苦労してるなぁ。 「っと、顔洗って飯食わないと。」 飯は………ラピュパンだな。 因みに、ラピュパンってのは空飛ぶ城のアニメの主人公がやってたパンに目玉焼きを乗せた物。 あのアニメ見てからやってみようと思ってやったら美味かった。 「戴きます。」 早速作った朝食を食べる。 ――ここ数日、~県~市で幼女が誘拐されるという事件が―― 「………朝からアレだな、ペドか。」 なんて思いつつ、テレビ……ニュース番組の左上に出ている時間を確認する。 8時20分 ふむ……そろそろ行くか。隣の主人公は決まって30分に家を出るからな、ツンデレヒロインと一緒に。 何故知っているかはアレだ、朝からあんな奴らと一緒に居たくないから。だから一時期、あいつらがいつ登校し始めるのかを観察した。 朝ってのは、小鳥の囀り聞きながら紅茶だろ。騒がしい馬鹿は嫌いだ。 サッサと着替えた所で空っぽの鞄を持って家を出る。 ガチャッ   「…………行ってきます。」 俺以外誰もいない家でも、何故か言ってしまう。  ガチャリッ 鍵をしっかりと掛けてっと。 「―――から、もっと優しく起こしてくれよ……」 「し、知らないわよ!起こして上げてるんだから有り難く思いなさい!!」 隣家から、男女が出てきた。イケメンと、スレンダーでポニーテールな可愛い系の女子だ。 ……何で、今日に限って早い?ふざけんなよ。 そう、俺の幼なじみを自称する主人公とそのヒロイン。 はぁ………厄日だ。
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