序章

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       † アラファト王国 大きな屋敷のある一室に、部屋の中をウロウロする男と高級感溢れる椅子に座る初老と思しき男が居た。 「落ち着け、ジーク。お前がドンと構えないでどうする?」 ジーク「父さん!!コレが俺の初めての子供なんだぞ!?落ち着いていられるか!!」 「全く……まあ良い、このブレイズ家を継ぐ者だ。魔盲では無い事を祈る。」 ジーク「父さん!!?魔盲でも俺の子供だからな!!?」 「ふん。五大貴族、それも軍事を任されとる火のブレイズ家に魔盲なぞいらん。」 ジーク「ふざけないで下さい!!!!魔盲だろうが何だろうが俺達の大切な子供だ!!」 「ジーク、魔盲が軍事を司ってどうする?魔法が使えぬ者に、魔法兵の扱い方は解らん。 それに、ブレイズ家の汚点になるだけじゃ。魔盲だった場合、捨てる。」 ジーク「そんな!??」 「殺さんだけ有り難いと思え。」 ジーク「くっ………!!」 その時、部屋にノックの音が転がった コンコンコン 「旦那様、ブリーゼ様、お子様が誕生なさいました。」 ジーク「何!!?今すぐ行く!!!」 ジークは即座に部屋を飛び出し、隣の部屋に入って行く。 部屋のドアを開けた段階で、赤子の泣き声が響いた。 ジーク「マリアナ!!」 マリアナ「あなた、落ち着いて?赤ちゃんがびっくりするわ。」 ジーク「お、おお。大丈夫か?」 マリアナ「ええ、母子共に健康よ。」 ジーク「そうか!!良かった……」 ブリーゼ「ふむ……男の子か?」 マリアナ「はい。元気な男の子ですよ、お義父様。」 ブリーゼ「そうか。名前は?」 ジーク「名前は………クロノスなんてどうだ?」 マリアナ「クロノス=ブレイズ……ふふ、良い名前だと思います。」 ジーク「そうかっ!!ではクロノスに決定だ!!」 こうして、八雲 冬梧の転生は無事に終わった。
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