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『城田滉』
用紙に書かれた癖のある筆跡とその名前には覚えがあった。
中学時代、散々、俺を虐めていたヤンキーシロタ⁉💧
当時の面影が、今は少ないので解らなかったが…
短ランを着て、太い刺繍されたズボンを履き、
赤い髪をして近隣の中学生からは避けられていた
暴走族に所属し学校にはあまり顔を出していなかったけど…
何故か、俺は目を点けられ、パンだのジュースだの、お菓子だの、パシリにいかされたり、
酷い目に合ったのだ😣💧
何度か、家に呼ばれ、屈辱的な事をさせられたりも…
「……これでいいの?」
と城田が顔を上げる。
俺は、ハッとして用紙に漏れがないか、チェックした
訝しげな顔になる城田。
「…………オマエ…水上じゃねぇの?」
城田が、ほぼ確信しているかのような調子で、俺に話しかける。
ど、ど、ど、どうしよう…?
「………そ、そうだけど…」
消え入りそうな声でそれを認めると、
城田は、急に大声になって笑い出す。
「……やっぱ、真紘じゃ~ん⁉何、オマエ、懐かしいな~😁」
屈託のない顔で笑いかけてくるので、複雑な気持ちになった。
城田は、あの夜の事を覚えているのだろうか?
いや、多分忘れてるんだろうな…
「……今、城田君、何してんの?」
少し、俯いて、手続きに必要な書類や控えを渡す。
「……ん~?俺、ホストだよ。結構こっからも近いとこの店にいるぜ。
EDENって知ってる?」
……馴染みのない俺は、首を振った。
城田は、携帯を取り出すと、急に慌て始める
「……やべ💦そろそろ出ねぇと💦
またな、取り合えず携帯に連絡してくれよ」
書類の入った封筒を持って、急いで店を出る城田を見送って
俺は、あの晩の城田とのやり取りを思い出していた…
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