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「………飼いたいんだけど、夜、独りにさせちまうしなぁ…って悩み中…」
低く、呟いた彼は俺を一瞥すると
再び視線を仔猫に戻した。
「……もしもの時は、ウチで預かる事も出来ますよ。
ウチからの紹介のペット預かりは、常時割引もありますし…」
と 習った営業トークで仔猫をプッシュする。
実は、この仔猫を預かるのは今日までなのだ。
貰い手が見つからねば、繁殖用にブリーダーの元へと返さなくてはいけない。
俺が、ここで働き始めて
足繁く通ってもらっているお客だから、どうせなら飼って貰いたい。
「………マジで⁉じゃあ、飼えるかな…
よし、決めよ‼」
満面な笑みで、快活に笑ったホスト君は、
俺が、誓約次項などの書類を出すレジ台へと近付いてきた。
「……あ、これに住所や、名前と…あと料金についてですが、この子のブリーダーさんへ直接振り込みになります…
入金が確認され次第の引き取りになりますので…」
注意事項を説明しながら、ホスト君に椅子を勧め、用紙に記入を促す
名前を書いた、欄を見て、俺はギョッとした。
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