2章🌸距離

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目から、熱い雫が流れる前に、私は走りだしていた。 「果穂!?どこ行くの!?」 杏の叫び声が、聞こえる。 どこへ行くかなんて決めてない。 でも、私の足は自然にあの場所まで来ていた。 「翔ちゃん…翔ちゃん…」 私は、何回も翔ちゃんの名前を呼んだ。 この声は、桜の木にしか聞こえないから… きっと一生分くらいの涙が出た。 泣き疲れた私は、 あの丘で、 自然と眠った。  
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