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「なんでいるの?」
「入学早々遅刻だな。」
「…!いってきます!」
私は、桜の木と翔ちゃんにそう告げて、少し遅れ、高校生のスタートラインに向かって走りだした。
「果穂[カホ]ー!!!!」
後ろから、私を呼ぶ声がした。
低くてやさしいこの声は、翔ちゃんの声。
「なーにー!?」
「入学おめでとー!
頑張れよー!!!」
普段クールな翔ちゃんが、顔を真っ赤にして叫んでいる。
すごく、すごく嬉しかった。
「ありがとう!!
またね!」
私は、翔ちゃんに手を振って、また走りだした。
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