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自分よりも頭一つ分ほど背の高い男の子。
艶のある髪の毛に朝日が当たり黒の中の茶色を目立たせる。
小悪魔的に微笑を湛えながら幼馴染みの彼は言う。
「あ、新斗君……待った?」
「いや、あまり待ってない……っていうのが優しい男なんだろうけど、残念ながら俺は十分以上待った。今何時だと思ってんだよ?」
「ご、ごめんなさい」
「明日から寝坊したらデコピンな」
「えー!? それは嫌だよぉー!」
「だったら起きれるように善処しろ」
と何気ない話をしながら学校へ通う。
いつも通りの出来事。変わらない日課。
「で、アンタはいつ告白するわけ?」
学校で授業の間の休み時間。
友達の女子と話をする。
「毎日毎日、幼馴染みって理由で一緒に学校来たりしないよ。 やっぱり藤堂もアンタのことが好きなんだよ春」
「そうはいってもぉ……」
窓側の席を陣取り、教室の反対側にいる話題の人物に目を向ける。
彼も男友達と顔をしかめながら話をしている。
その姿を見ていると、何故だか幸せな気分に少女はなった。
するとその時、彼も同じように少女に視線を向けた。
そうなると当然目と目が合い、二人して勢いよく目をそらす。
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