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アラトは首を横に振って否定する。
その顔には優しげな笑みを浮かべていた。
「そんなに自分を責めるなってこと。俺は別に怒ってる訳じゃないんだしさ」
「でも……イタッ」
俯きがちだったミスティの額を指で弾く。いわゆるデコピンだ。
そこまで力を入れてはいないが、急な顔への攻撃でミスティの思考を止めることはできる。
「バカなのは初めて会った時から知ってるよ。バカにされたいんだったらいつでも言ってくれ。いくらでもバカにしてやる」
と、アラトははにかみ笑顔で言った。
「むー、やっぱりアラト君意地悪です……。
でも、ありがとう」
「……どういたしまして」
「――――ぃよーっし!」
と、ここでクリードが大声をあげた。
保健室なので迷惑きわまりないことだが。
「一件落着したみてぇだし、飯行こうぜ飯!」
「お、おい待てよ!いててて!こっちは怪我人だぞ!」
「んなもん飯食えば治るだろぉ!いいから行くぞ!」
「仕方ない、俺も行ってやるか」
「なあ!バンとミスティもクリードに何か言ってやってくれよ!」
「ふふっ。いいんじゃないですか?少しくらい」
「問題ないな」
「二人ともぉ!!」
「だああ!ごちゃごちゃ言ってんじゃねぇよ!」
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