日常の終わり

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ハーバル王国が本格的に夏を迎えた 四季があると言っても涼しい気候だから夏はあまり暑い訳ではない 日本の夏を知っている裕幸にとっては過ごしやすい事この上ないのだ しかし、そんな事よりも裕幸の関心は専ら別の方向にあった 現に朝だというのに彼は王女の部屋にいた 「ヒロぉ~・・・・・・」 擦りよってくる恋人━━とは言えない位に深い関係になった王女のユユは布団の中で隣にいる裕幸を探した 「ここだよ・・・・・」 自分を探していた彼女の手にそっと掌を重ねるとユユは安心したような満足したような笑みを示す 薄い布団を掻き分けてお互いに体を寄せて抱き合う2人の間に少しつっかえがあった 「あ・・・・・・」 裕幸の手がユユの少し膨らんでいる下腹部を撫でた 「不思議だな・・・・・ あの時はまだ変わりなかったのに・・・・・・」 「ふふ・・・・・そうね でも、まだまだ大きくなるってフリンクル先生は言ってたわ・・・・・」 「楽しみだな・・・・・」 「うん…・・・・・」 「あ・・・! 名前も考えなきゃ・・・・・・・・・」 思い付いたように裕幸が真剣に言うとユユはクスクスと笑った 「せっかちよ・・・・・・ ゆっくり・・・・・考えましょう・・・・・?アナタ」 「・・・・・・・・・・それもそうだな ユユ」 朝の日差しが徐々に強まる明け方、2人はこれからまだまだ成長する我が子に思いを馳せていた
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