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「な、っんで、首を舐めんですか…」
「……」
「会長?」
「…腹減った」
「……」
俺の首は食いもんかっつー話だ。
とりあえず、
これ以上、首に何かされたくない俺は急いで朝食を作った。
豆腐の味噌汁と白ご飯とあじの干物。
日本人の朝食といえば、と問われたら大多数の人がこれ、と答える典型的なもの。
背中にべったりとはりつく会長を席に座らせようにも、離れない。
夜にあんだけくっついていたからもういいだろ。
と思ったが
「一日中、首触るぞ」
「どうぞ思う存分くっついていて下さい」
というワケで、くっついたままの食事だ。
会長の足の間…つーか、股の間に座る俺。
なんてシュールな画だろうか。
「ほら、食えよ」
「いや、自分のあるんで」
「あ?」
「……いただかせていただきます」
俺は何かを失った気がする。
いわゆる“あーん”というヤツをしたせいで。
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