高校入学は非日常の始まり

25/25
前へ
/41ページ
次へ
「な、っんで、首を舐めんですか…」 「……」 「会長?」 「…腹減った」 「……」 俺の首は食いもんかっつー話だ。 とりあえず、 これ以上、首に何かされたくない俺は急いで朝食を作った。 豆腐の味噌汁と白ご飯とあじの干物。 日本人の朝食といえば、と問われたら大多数の人がこれ、と答える典型的なもの。 背中にべったりとはりつく会長を席に座らせようにも、離れない。 夜にあんだけくっついていたからもういいだろ。 と思ったが 「一日中、首触るぞ」 「どうぞ思う存分くっついていて下さい」 というワケで、くっついたままの食事だ。 会長の足の間…つーか、股の間に座る俺。 なんてシュールな画だろうか。 「ほら、食えよ」 「いや、自分のあるんで」 「あ?」 「……いただかせていただきます」 俺は何かを失った気がする。 いわゆる“あーん”というヤツをしたせいで。
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

698人が本棚に入れています
本棚に追加