高校入学は非日常の始まり

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俺、桐本直哉(キリモトナオヤ)は、 今日入学する高校の正門の前で突っ立っている。 「……道、間違えたか?」 デカい。門が。 どこだ此処は、と思ってふと門の横を見ると、【星鈴高校】という文字の入ったプレートがあった。 …どうやら、間違ってはいないらしい。 俺は開いていた門を通り、中へと入った。 「広っ…。」 馬鹿げてるだろ、と言いたいくらい広い。 だが校舎は意外と近くにあった。 そもそも、なんで俺がこんな馬鹿げた高校に来たかというと、姉が勝手に『直哉は総受けになるべきよ!いや、攻めでも大歓迎だけどね!』とか言って願書を書いて出しやがったからだ。 はじめは嫌だと思った。 此処は男子校で、全寮制だからだ。 しかし、だ。 入試で高得点をとったら特待生として全額無料になるらしい。 庶民の俺からしてみれば美味しい話だった。
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