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酸素不足のせいで、涙が出て視界がぼやける。
頭が真っ白になりそうな中、
「せい、や……せ、やっ」
必死で名前を呼ぶ。
解放してくれ、と。
「……も、いい加減にっ」
頭がおかしくなりそうだ。
足がガクガクする。
立っていられなくなって、後ろの壁に体重をあずけながらズルズルと座り込んだ。
「ん、合格」
何が合格なのかはよく分からんが……ようやく終わった。
「――はっ、はぁ。…ざっけんな」
あんな、
女にするようなキスを、俺にするなんて。
俺は座り込んだまま、頭を抱える。
あぁあ、もう。
姉貴のせいだ。
『いい、直哉?総受けは迫られヤられてなんぼなの!』
ほんと、ふざけんなし。
思い出した姉貴を想像の中で殴っておいた。
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