一章

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米山は 「トロか?」 と聞いた。 「大トロですよ!」 と、白木が云う。 米山は、白木の笑顔が見えるようであった。 そこで、米山は 「俺の方はよ、ロイヤルにおまけ付きだよ、どうする?」 と、白木に聞いてみる。 ロイヤルが出ると、店から祝儀が出るのだが、ベット数によって、祝儀の金額も違うのだ。 そして、景品も付く。 米山はの場合は、大型テレビであった。 客への宣伝ようだろう。 「ほー!いくらになったんですか?」 そう白木が聞いた。 米山は、近くで、手持ちぶさたに立っている店員に向かって 「幾らになる?」 と聞いてみた。 米山も驚いたが、80万にはったのだ。 それを聞いて、白木に 「80だとよ、テレビはいらねぇだろ?」 と聞いたが、白木は 「貰えるもんは、貰いましょうよ」 米山も、それはそうだと思い 「わかった、車で店の前まで来いや」 そう云って、電話をきった。 店員は、他の客の羨望の眼差しを無視して、米山に、支払う金を数え始めた。 正確には88万あったのだ。 そして、店員は、店の奥から46インチの液晶テレビを運んで来たのだった。 (こんな大きいの積めるのか?) 米山はそんな事を考えた。 そこへ、店の扉が開いて、白木が入って来た。 何やらニヤニヤしている。 「これっすか?」 と、白木はテレビが入った箱を指差した。 そして、箱を軽々と持ち上げて、車まで運んで行ったのだった。
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